令和5年度 環境教育研修会(こどもと暮らし研修会)③

令和5年度 環境教育研修③ 子どもと暮らし研修会

第3回目 令和5年10月27日 (14:00~17:00)

テーマ:幼児教育施設として地域の外国籍の親子、コミュニティと関わりの意味や役割

講師名:伊東浄江氏

様々な外国人移住

現在日本には様々な外国人が住んでいる。多くはブラジル、ベトナム、中国、フィリピン、ネパールといった外国人だが日本へ来た理由も様々だ。そして当然、子育ても多様化する。外国人がいない園を研修内で聞いたところ、ほぼ全園にいる(いた)経験があったそうだ。

チャット機能で研修

研修者には外国人の園児について以下の点で困ったことがあるかどうか聞いてみた。

-子どもについての問題-

1 日本語が通じない                                                                   2 ルールを理解しない。指示を聞かない

3 日本人の友だちをつくらない(外国人同士で集まる)               4 発達の問題がある

5 給食の好き嫌い                                                                       6 欠席が多い

7 その他                                                                                     8 特にない

-保護者について―

1 日本語が通じない、お知らせや書類が読めない                      2 保護者会や行事に参加しない

3 他の保護者と仲良くしようと思っておらず孤立している        4 連絡がつきにくい、欠席等の連絡がない

5 月謝等費用の未払い                                                                6 その他

7 特にない

研修者チャット意見

・文化の違いから行事に参加できないと伝える家庭もいた

・クラスを変えてほしいなど、難しい要求をする。

・時間にルーズ

・自己中心的、自己主張が強い

・弁当にヨーグルトを瓶に入れて持ってくる、行事の日にちを間違える

・お知らせが読めない為、その日に必要な服装や持ち物などがわからない

・翻訳アプリを使うことはあった

・周りの保護者がいろいろ手伝ってくれている 翻訳アプリも使っている

・外国籍のお友達の方が通訳になってくださった

・知能テストの時に市役所から子ども向けに通訳さんが来る

・小中学生のお子さんが兄弟でいると、通訳してくれたことがあった

・区役所からボランティアの案内をもらった

プレスクールの役割

1 ·いろいろな人と関わって育つことで、いろいろなことを学ぶ

2 多様な価値観、考え方を経験する中で適応力を身につける

3 家庭、学校+地域 多様な関わりが地域の多様性を育み、豊かな社会づくりにつながる

4 日本語の獲得

プレスクールで日本語を学ぶ

言葉(日本語)の習得は育ってきた環境などによる部分もあり、それは個人差が大きい。

1 来日時期(日本生まれが増えている)                                        2 保育園、幼稚園へ通っているか、いないか

3 兄、姉がいるか、いないか                                                     4 保護者が日本語能力、考え

5 文字の習得に課題                                                                   6 ·日本の学校を経験していない保護者が多い

7 日本語が分からない保護者もいる

といった生活環境で日本語を学ぶ環境にも大きく差が出てくる。これらを解消していく必要があるのだが、容易なパターンと困難なパターンだと本当に差が大きい。また本人のやる気にかかわるところも多いところが実情だ。

プレスクールの課題、困難

1 言語教室にも回数に限りがあり、言葉や文字(ひらがな)の習得を目標にすることも困難

2 多国籍化、多様化への対応しなければならない、通訳さんがいる言語もあればいない言語もある

3· 発達課題が疑われる子どもの対応

4 保護者への情報提供 学校の期待は生活習慣を作ること

5 (開催市町村によっては幼稚園、保育園との連携がない

6 不就園の子どもを見つけること

7 外国人だけではなく日本人もコミュニティに参加した方がいい

入学にあたり心配なこと

小学校へ行くと学校の時間が長い。海外では半日が普通な国もあれば、進学の時期が決まっていない(適齢期だと思ったら行くようにする)といった文化がある。ここは日本なのでやり方は日本に合わせなければいけないが、私たちもそういった他国の保育、教育文化を知ってみたらどうだろうか。視野が広がり考え方も柔軟になるのではないだろうか。

いじめや差別の心配もある。均質な日本の学校では同調圧力を感じることもあるようだ。「保護者が日本の学校や教育制度を知ること」も大切。